株式会社エスエー・エーエス

代表的な接客業のひとつである飲食店でも、オーダー端末やレジ、予約管理など幅広い業務にスマホやタブレット端末が活用されています。全国にイタリアンレストランを展開する株式会社エスエー・エーエスでも、これまでは新品のiPhoneやiPadを店舗に支給して運用してきました。しかし、2025年4月より「Belong One」を利用した端末レンタルを開始し、端末不足やアナログ業務といった、店舗運営におけるさまざまな課題の解消につなげています。今回は、同社で経理を担当している江連朱理様に、Belong Oneを導入したきっかけと、その成果について伺いました。

課題

POSレジツール導入に必要な端末の不足
既存端末の画面割れや汚れ
新品端末購入直後だったことによる予算的制約

解決策

Belong Oneの利用により高品質な端末を必要な台数導入
レンタルサービスを選択することで初期投資の負担も回避

効果

集計業務の75%短縮と経営判断のスピード向上
ペーパーレス化が一気に進行
故障時の問い合わせ窓口が一本化され、管理工数が削減

老舗イタリアンのデジタル化を阻んだ“端末不足”

全国約50店舗のイタリアンレストランを運営する株式会社エスエー・エーエス。同社を創業した代表の笹間章氏が、「多くの人にワインを飲みながらゆっくり食事を楽しんでほしい」という思いで、1972年に「イタリア式食堂イルキャンティ」をオープンしました。

「当時はイタリア料理やワインがあまり身近ではありませんでした。代表が“日本人の好むイタリア料理”を追求して生まれた『真夜中のスパゲッティ』は、50年が経った今も人気メニューのひとつです」

–そう話すのは、経理を担当する江連朱理様。長い歴史を持つ同社がBelong Oneの端末レンタル利用に踏み切った背景には、POSレジアプリの導入が深く関わっています。

「以前は予約管理にのみiPadを使っていました。メニューは手書き、オーダー伝票も紙を利用していて、売上速報の集計は全店舗からFAXで送られてくるなど、なかなかデジタル化が進みませんでした。そんなとき、フランチャイズ店舗から『POSレジアプリ』をご紹介いただき、直営店でも導入することになったんです」

–POSレジアプリは、レジ機能をはじめ、オーダーの受付や売上分析などさまざまな機能を備えたツール。大幅な業務改善が期待できる一方、導入には大きな問題がありました。

「iPadの数が圧倒的に足りなかったんです。アプリの運営会社からiPadとiPhoneが2台ずつ支給されましたが、レジとキッチンで使い切ってしまい、ドリンク担当やほかのポジションには置けない状況。2階建ての店舗の場合は、さらに端末が増えます。計算したところ、最低でも1店舗あたり5台のiPadが必要だったんです」

–台数不足だけでなく、既存の端末にも問題がありました。現場で使われている端末は画面が割れているものや、汚れているものが混在しており、端末の品質維持も大きな課題となっていたのです。

初期費用の負担を回避しながら必要台数の導入を実現

–必要な端末の数は判明したものの、新品のiPadの追加購入には踏み切れない事情がありました。

「じつは当時、予約管理アプリのバージョンアップで古い端末が使えなくなり、数十万円かけて新品をまとめて買ったばかりだったんです。そのため、再び高額な初期費用をかけるのはためらわれました。そんなとき、社員の一人が『iPadってレンタルできないんですか？』と言いだして。その瞬間、購入以外の選択肢が見えたんです」

–検索してみると、端末レンタルサービスが多く存在していることに驚いた、という江連様。そのなかで「Belong One」を選んだ理由について、こう話します。

「決め手は在庫数の多さ。Belong Oneにアカウントを登録してログインすると『3000台の在庫があります』という表示が目に入ったんです。当社で必要な台数を確保できる安心感はもちろん、他社サービスと比較しながらじっくり検討できた点も好印象でした。自分たちのペースで判断できたのはよかったですね」

–さらに、Belong Oneを運営する企業が伊藤忠のグループ企業であることも、信頼性を判断するうえで大きな後押しになりました。

中古端末への不安を一掃したBelong Oneの端末品質

–一方で、これまでは新品の端末を購入していた同社。Belong Oneで扱う中古のiPadに抵抗感はなかったのでしょうか。

「バッテリーの劣化具合が気がかりでしたが、その心配は不要でしたね。手元に届いた端末は、バッテリー最大容量も97%前後の端末ばかりで驚きました。目立つ傷やへこみもなく、外観はほぼ新品のよう。これを1台あたり月額1000円前後でレンタルできるのは、本当にありがたいです。スタッフには『これはレンタルだから大事に使ってください』と伝えたからか、今のところ丁寧に使ってくれています（笑）」

–レンタルへの切り替えは、思わぬところで効力を発揮しているようです。

「購入よりも初期費用を大幅に抑えられるうえ、故障時は端末交換を即日対応いただけるのも大きかったです。以前は本社メンバーが購入・修理手配をしていたため、手続きが煩雑でしたが、今はBelong側に窓口が一本化されて精神的な負担も減りました。さらに、アプリのアップデートで端末が対応しなくなる可能性についても相談できるので安心です」

–“コスト”と言っても、金銭面だけではありません。管理コストや心理的負担の軽減も大きなメリットになっているようです。

ペーパーレス化により働く環境も改善

–POSレジアプリの導入とBelong Oneの活用によって、同社のデジタル化は一気に加速しました。

「POSレジアプリを入れたiPadを全店舗に配布し、運用を開始しています。同時期にお客さま自らスマホで注文する『モバイルオーダー』の利用もスタート。それらを駆使した結果、店内で使う紙はレシート程度になり、ペーパーレス化が大きく進んでいます。このデジタル化により、本社で1時間かかっていた売上速報の集計作業も、大幅に短縮されています。まだFAXが必要な場面もありますが、紙の利用総量は以前とは比べものにならないほど削減されています。ツールによる効率化のおかげで、人手を増やすことなく“イルキャンティらしいサービス”を提供できています」