株式会社ヒラトヤ

“美容室で施術を受けながら、タブレットで電子書籍版の雑誌を読む” 今では、そんな美容室での過ごし方が当たり前になっています。美容院のお客様が手にするタブレットは、新品で購入して壊れるまで使用するのが一般的で、岩手県内を中心に22店舗の理美容室を展開する株式会社ヒラトヤでも同様の運用を行っていました。しかし2024年からはBelongの法人向けレンタルサービス「Belong One」を導入し、230台の中古iPadをすべての店舗に配布。長年の課題であった”端末品質の維持”と”個人所有端末の業務使用”を解決し、サービスや顧客管理方法の刷新を図りました。 本記事では、同社で取締役・ストアマネージャーを務める中村広隆様に、サービス導入のきっかけや初期コストの大幅削減、導入後の顧客満足度向上などについてお話を伺います。

課題

  • タブレット端末の劣化による顧客満足度の低下
  • 個人所有端末の業務使用による情報漏洩リスクとスタッフへの負担

解決策

  • Belong One レンタルサービスの利用により230台の中古iPadを導入し、状態の良い端末に刷新

効果

  • 初期費用及びトータルコスト(TCO)を大幅に削減
  • 顧客利用端末の状態改善による顧客満足度の向上
  • 若手スタッフ育成における端末活用や、お客様カルテの電子化など、DXの取り組みが促進

コスト抑制のための中古利用における、「品質」と「大量調達」という壁

1961年に理容1号店を開業し、1974年に美容業界に進出した株式会社ヒラトヤ。現在は、理容・美容・ブライダルなど、人々の“美”をサポートする事業を幅広く展開しています。
-そんな同社では、業務で使用する「タブレット端末」に2つの大きな課題を抱えていました。 そのひとつはお客様に貸し出すためのタブレット端末の劣化による顧客満足度の低下。

「かつて美容室では、お客様が施術中に読むための雑誌を毎月大量に購入していました。しかし今は、電子雑誌のアプリケーションをインストールした、タブレット端末をお貸しする方法が一般的です。ヒラトヤグループでも早い段階からタブレット端末を導入していましたが、年月とともに劣化し、お客様にお貸し出しする端末としての品質が低下していました」

-長年使用した端末は、外観の古さだけでなく、カットされた髪の毛がはさまっていたり、バッテリー部分が膨らんでいたりと、決して良好とは言えない状態だったそうです。 そしてもうひとつの課題は個人所有端末の業務使用。

「お客様の髪型撮影用や、レジ用としてiPadを使っていたのですが、個人所有の端末を使用していたため、個人情報の保護やスタッフの負担を考えると改善は急務でした」

-これらの課題を解消するためには端末の刷新が必要でしたが、全ての端末を新品で購入するのはコスト負担が大きいため、コスト抑制のために検討したのが「中古iPadのレンタルサービス」の利用でした。 数あるサービスの中からBelong Oneを選んだ理由はどこにあったのでしょうか。

「“圧倒的な在庫数”が、Belong Oneの最大の魅力でした。ヒラトヤグループの理美容室22店舗にiPadを配る場合、200台以上の端末が必要になります。複数社に相談しましたが、どこも『200台は用意できない』という回答ばかり。そんななか、Belong Oneのサイトで、500台の中古iPadをレンタルした事例を発見し、『Belongなら230台も対応できるのでは』と期待して問い合わせました」

-また、レンタルを検討する企業が抱えがちな、ランニングコストへの不安は「発想の転換」で解消されたといいます。

「確かにレンタルは、購入したタブレットを壊れるまで使う場合と単純比較すると高く見えるかもしれません。しかし、レンタルならば初期費用を抑えながら、年間のコストが明確で経営リスクも低減でき、交換機のサポートも受けられる。故障や買い替えの手間、廃棄費用などを考慮した長期的な視点で見れば、トータルコスト(TCO)も抑えられると考えました」

高品質な端末がさまざまな場面におけるDXを促進

Belongを通じて、端末の大量レンタルという最大の壁を乗り越えたヒラトヤ。ただ、導入前には別の懸念もあったそうです。

「まず“中古”という点で、どの程度の品質のものが届くのかわからないという不安はありました。破損時の対応についても、事前に説明は受けていましたが、実際はどうなるのか気になっていましたね」

2024年6月、各店舗に端末を配布して運用を開始。実際に使いはじめると「すぐに不安は払拭されました」と、中村様は振り返ります。

「届いた端末は、どれも中古とは思えないほどキレイでスタッフからも『新しいiPadをこんなにたくさん導入して大丈夫なんですか?』と、心配されたほど(笑)。新品で購入した場合は1台8万円近くしますが、Belong Oneなら1台数百円でレンタルできるので、初期費用は大幅に削減できています。このコストメリットを活かし、長年の使用による使用感の低下という課題を解消し、お客様に高品質のタブレットを提供できるようになったことで、顧客満足度向上に直結すると確信しました」

懸念していた端末トラブルについても、サポート対応の速さに驚いたそうです。

「先日、店舗で使用中のiPadが破損してしまったのですが、即日対応してもらえました。交換機もすぐに届き、業務への支障もなくサポートの手厚さを体感したので、今後も安心して利用できそうです」

そのほか、紙で保管していた「お客様カルテ」の電子化にもiPadが役立っています。

「カルテの作成から保存までiPad上で完結させる案もあったものの、現場から『その都度iPadを立ち上げるのは難しい』との意見が多く上がりました。実際、iPadを立ち上げてキーボードで打ち込むのは大きな負担になります。現在は、作成した紙のカルテをiPadで撮影して保存する“ハイブリッド”な形で運用しています。忙しい現場スタッフにとって、紙とペンは手放せないアイテムなんです」

そのほか、若手育成に使用する教材用動画の撮影にもiPadを活用。デジタルとアナログを使い分けながら、お客様の満足度向上とスタイリストの育成を実現しているようです。

理美容業界のDXインターフェースとして相性の良いiPad活用

–ヒラトヤでは、アプリケーションやOSのアップデート対応機種の選定について、Belongの担当者と綿密な打ち合わせを重ねて導入を進めました。「3年の契約期間中は、安心して使えそうです」と話す中村様は、理美容業界とiPadの相性の良さを実感している、と語ります。

「現場主義の美容室や理容室は、DX(デジタル・トランスフォーメーション)が進みにくい業態です。しかし、iPadなら電子書籍の閲覧以外でも使用できるのでDXに適しています。ただ、中古iPadを自身で選んで購入する方法もありますが、OSのアップデートによってアプリが使えなくなるなどのリスクを考えると、あまりおすすめできません。専門領域は、Belongのような専門家に任せるのが安心です」

-そんな中村様ですが、ただひとつ後悔していることがあるそうです。

「サービス導入時にキッティングサービス(初期設定・アプリ導入・保護フィルム貼付など)を利用すればよかった、と今さらながらに思っています。約230台のiPadに保護フィルムを貼る作業は、なかなか骨が折れました……。今後、利用を検討している方にはキッティングサービスを強くおすすめします(笑)」


これからも広がるデジタル活用の可能性

–最後に、iPadを活用した“今後の展望”についてもお聞きしました。

「まだ構想段階ですが、iPad端末を地域広告の発信媒体として活用したいと考えています。例えば、お客様が施術中にiPadを使用している間に、地元の色々な企業さんの広告を流すことで、地域の企業とお客様の交流の場ができて、おもしろいんじゃないかと思っています。私たちヒラトヤの美容院が、単にサービスを提供するだけでなく、地域企業さんとお客様を「つなぐ」接点となることで、地域貢献にもつなげていきたい、そう思っています」

地元を愛するヒラトヤの新たな挑戦に、Belongも伴走していきます。